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論文要約20「計算論的神経科学」その2

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6逆モデル獲得のための計算スキーム
逆システムはシステムの入出力を逆にしたもので、これを学習で獲得出来れば理想的な予測制御として使用できる。ダイナミクスキネマティクスに冗長性があればその逆は1対多の写像となり明らかな不良設定だ。以下逆システム学習のための3つの計算スキームを紹介する。
1つ目は制御対象の入出力を入れ換えて逆システムモデルとする最も単純明快な直接逆モデリングだ。しかしこれは先に述べたように不良設定であり解けない。他にもいくつか問題があり、実際の神経系では使われていないと考えられる。
2つ目は順逆モデリング。これは制御対象の順モデルを学習した後で、それを通して、作業の誤差を逆伝搬して逆システムモデルを学習する。これはプロセスが大変である。
3つ目は………(7で紹介)


7フィードバック誤差学習スキーム
この方法では、学習前の制御はフィードバックコントローラーにより行われ、このシステムにフィードフォワードコントローラーとしての逆ダイナミクスモデルが重ねられている。制御対象にはフィードバックコントローラーとフィードフォワードコントローラーの2つの出力の和が与えられる。
これにより、学習と制御を同時に行うことによる臨機応変さ、目標指向性、不良設定の解決などのメリットが得られる。

8トルク変化最小モデル
ヒトの多関節腕の運動軌道の実験結果に基づき躍度最小モデルが提案された。このモデルは、ヒトの随意運動の目的は手先の直交座標の躍度の2乗の時間積分を最小にすることだとし、ヒトのデータを見事に再現、予測した。


9軌道生成のためのカスケード神経回路モデル
トルク変化最小軌道とそれを実現する運動司令を自律的に生成するカスケード(連なった小さな滝)神経回路モデルを提案した。このモデルは繰り返し構造をもち、全体として、学習により制御対象の動きを獲得し、緩和計算により軌道と運動指令を計算する。
実験により、このモデルで多自由度マニピュレータの障害物を避けたり経由点を通過したりする軌道の生成が確かめられている。


10おわりに
計算論的神経科学は科学、工学の両面からみても可能性の大きい分野である。

「主より」
7と9よく分かりませんでしたごめんなさい。

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