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論文要約2「水害対策行動と環境行動に至る心理プロセスと地域差の要因」

水害対策行動と環境行動に至る心理プロセスと地域差の要因

1はじめに
1997年河川法改正により河川環境の整備と保全が加わり専門家や住民の意見を取り入れることになった。
水害行動と環境行動への心理プロセスを比較した研究はこれがはじめて。
流域住民が問題への相違点を認識し合意形成することが大事。

2心理プロセスモデルの概要
知識→関心→動機→行動の4段階
関心と動機の要因は危機感、責任感、有効感
行動の要因は実行可能性評価、費用


3・4調査対象とアンケート
新潟と長野の間
心理プロセス及びその要因に関する質問を行った

5結果
「環境」と「治水」の2つの行動過程を調査、比較した。
共通点
・どちらも心理プロセスモデル通りの段階を経ている
相違点
・環境は直前の心理段階が与える影響が大きいのに対し、治水は他の大きな要因や心理段階の影響が大きい

地域差の分析
(a)環境治水共に動機関心行動意図については積極的、知識は中程度、行動は消極的な回答。
治水は環境よりも、自治会間での回答のばらつきが大きい。
(b)河川の上流下流で比較しても治水に関する意識にはばらつきが大きい。
(c)(d)治水の意識差は被災率の違いによるもの。ちなみに環境と被災率の相関は関心意外には見られなかった。
また、被災回数にもよる。
(e)環境の差を生み出す原因は特定出来ず

6考察
(1)治水の関心は知識よりも危機感の影響を受けるのは、知っていることよりも災害への危機感や不安の方が影響力を持つから。
危機感=深刻さ×発生率なので、実害が治水により深く関わっている。

(2)地域差の考察
地域間の不一致も治水>環境
これは災害経験があるかないかによる

(3)今後の課題
・環境項目の差を生み出す原因の特定
・治水の不一致の埋めかた




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