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論文要約5「冬季日本海の現地調査に基づく浅海域への入射長周期波の調査」

冬季日本海の現地調査に基づく浅海域への入射長周期波の調査(中畑、落合、柏原、花山、守屋、関本)

1はじめに
近年、浅海域への工学的な問題に長周期波(数十秒から数分サイクルの海面の変動)が深く関わっていることが指摘されている。解決にはこれらの理解及び再現が必要。
過去の研究では長周期波の多方向性や不規則性を捉えることが出来ていなかった。
本研究では長周期波の特徴をエネルギー的に捉えた後数値計算し、観測結果とともにその妥当性を評価する。


2現地観測の概要
新潟県直江津港内に観測器を5種類の水深(12~25m)ごとに1つ設置。水位、水圧、2方向の流速を計測する。


3現地観測に基づく長周期波の特徴
沖から岸に向かってエネルギーが増加していることがわかった。
また、波の形態として、自由長周期波と長周期拘束波の2種類あり、前者の発生には後者の発生が関与しているが、前者の発生要因は多様過ぎて推定できない。一方で長周期拘束波のスペクトル(複雑なものを成分に分解してそれらを大小で捉える)は算出出来る。そこで今回は(自由長周期波エネルギー)=(長周期波全体エネルギー)-(長周期拘束波エネルギー)とする。
沖合の長周期拘束波エネルギーは全体に対し非常に小さいこと、通常波浪成分(水面の上下運動)の周期が長くなるにつれて、長周期波のピークエネルギーが大きくなることが確認できた。また、観測の結果、地点の長周期波は長周期拘束波に関連づけられると考えられる。


4現地調査に基づく長周期波を用いた数値計算
ここでは上の観測結果から数値計算を、長周期拘束波エネルギーが長周期波エネルギーと同等として行う。
(a)数値計算の概要
計算格子は現地の上空映像の簡略図を元にし、間隔はxy方向が10m、時間は0.2sとした。100成分にわけスペクトル解析を行う。

(b)結果
計算した値に対し長周期波エネルギーの対応は非常に良いことが分かった。つまり、長周期拘束波によるエネルギーの計算の精度は非常に高い。


5おわりに
今回の手法を用いて様々な地点で観測を行い問題解決わ検討したい。


「ブログ主の一言」
特定不可能な要因に対して既知の事実から背理法的に向き合って定量化し、今後の研究の基礎となるような手段がうまれたことは感動的だ。


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