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論文要約8「2018年 7 月豪雨により山口県東部で発生した洪水・土砂災害の特徴」

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2018年 7 月豪雨により山口県東部で発生した洪水・土砂災害の特徴

1はじめに
2018年7/5~7/8にかけての激しい雨により山口県東部の島田川流域で発生した洪水、土砂災害の概要と浸水地域の土地利用の変遷について報告する。


2豪雨の概要
豪雨の空間的特徴を調べるため、中国地方の4日間の日降水量および精算降水量を調べた。
7/5では山口県から広島県にかけて100mmを越える強雨を観測。7/6は雨域の中心が南下し、広島湾を挟んで175mmのを越える豪雨域が出現、島田川流域では200mmを超えた。7/7は豪雨が収束し、7/6と似た雨量の分布で程度が小さくなった。7/8は50mm以下となっている。
4日間の積算降水量では400mmを超える地帯が山口県から広島県にかけて横長に配置、島田川の支流では540mmを超えた。


3豪雨の空間的、時間的特徴
島田川支流の中山川では5日昼に雨が強まり6日未明に収束、6日の夕方と7日未明に二度のピークを迎え7日夕方には収束している。4日間の積算降水量は500mm近く、これにより島田川上流では危険水位に到達し警報が発令された。中流も同様。下流では避難勧告が出された。


4人的、住家被害と土砂災害の実態
市町村別被害及び死者について、死亡者は県内で3名、警戒区域内でのこと。また、酒工場の使用停止や学校への土砂の流入など様々な被害が観測された。住家被害は岩国市で全壊13、半壊278、島田川とその支流による被害が顕著だった。


5島田川流域における洪水災害の実態
流域で2日総雨量311mmという浸水想定の規定を100mm程度上回る雨量が全域で観測された。
浸水被害では、万全の備えだったと思われる家屋でさえ玄関まで浸水するという事例もあり、今回の豪雨の激しさが示された。地盤高190cmの浸水もあり。


6島田川下流の光市三井地区の土地利用の変遷
1947年9月に洪水による甚大な被害が記録されている。台風によるもので、広島県では多くの死者、行方不明者を出した。空中写真から決壊した島田川の様子が確認できる。住家は島田川の自然堤防上と県道8号の山際に点在し、洪水対策のために標高の低い平地には存在しない。その後15年間は土地利用の変化はみられない。
1975年には自然堤防上に多くの家屋が建設され、北部の丘陵地帯には団地が形成された。1992年には団地の開発が進み、2008年には低地でも水田を一部残しつつ老人ホームなどが建設されている。2017年ではさらに温泉なども。

7おわりに
島田川周辺で洪水が頻繁であることは記録として残されている。避難行動について検証していき、防災力の向上に努めたい。

「ブログ主から」
何でこれ選んだのかは自分でも分からん。全然おもんない。


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